年表で見るコンスタンティノープル

330年、コンスタンティヌス帝が古代のビュザンティオンを新しい首都にしました。市はその後西へ広がり、5世紀にはテオドシウス2世が、マルマラ海から金角湾まで続く三重の城壁で囲みます。6世紀には、ユスティニアヌス帝が532年のニカの乱の後に中心部を再建し、アヤソフィアを建てました。市は1204年に十字軍に略奪され、1261年にビザンツが奪還し、1453年5月29日にメフメト2世に攻略されました。

オスマン人は教会の大半をモスクに改めましたが、そのおかげで多くが保存されました。現在、ビザンツ遺跡は2つの地域に分かれます。スルタンアフメット広場周辺の帝国の中心部と、ゼイレクからエディルネカプまでのファティフ地区から城壁までです。前者は1日で回れ、後者にはもう1日が必要です。

帝国の中心:スルタンアフメット

アヤソフィアとアヤ・イリニ

532年から537年にかけてトラレスのアンテミオスとミレトスのイシドロスによって建てられたアヤソフィアは、約1000年間、帝国の大聖堂でした。2020年に再びモスクとなり、上階の回廊を通る順路で見学します。そこにはデイシスのモザイクや皇帝のパネルがあります。外国人旅行者の入場料は25€で、金曜の12時から14時は見学が中断されます。そのすぐ後ろ、トプカプ宮殿の第一庭園にあるアヤ・イリニは、ユスティニアヌス帝のもうひとつの大教会です。モスクに転用されたことはなく、後陣に8世紀の聖像破壊運動期の十字架と、創建当時のアトリウムが残っています。宮殿と同じく、火曜は休みです。

2023年にヒッポドロームの向かいに開館したアヤソフィア歴史体験博物館(25€)は、没入型の展示室で建物の歴史を紹介し、ビザンツの品々を展示しています。観光客がモスクで見学できるのは回廊のみとなったので、これで補えます。

ヒッポドローム

スルタンアフメット広場は、青党と緑党が戦車競走をめぐって争った、かつてのコンスタンティノープルのヒッポドロームにあたります。競技場の中心軸には3つのモニュメントが残っています。宮廷の場面を彫った台座の上に、390年にテオドシウス1世が建てたトトメス3世のオベリスク、プラタイアの戦いのあとギリシャ諸都市がデルフォイに奉納し、コンスタンティヌス帝が運んできた青銅の蛇の柱、そして1204年に十字軍に金メッキの青銅板をはぎ取られた石積みのオベリスクです。いつでも自由に見学できます。

地下貯水池(シスタン)

ユスティニアヌス帝の時代にアヤソフィアの向かいに造られたバシリカ・シスタンは最も有名で、336本の柱、再利用された2つのメドゥーサの頭、夜の部があります。2026年6月から財団総局が管理しており、9時から18時30分、続いて19時30分から22時まで開いています。外国人旅行者向けに最後に公表された料金は、日中が1,950TLでした。

これより小さな2つの貯水池は、はるかに空いています。ビンビルディレク貯水池は、名前が「1001本の柱」を意味し、ヒッポドロームの西にあります。コンスタンティヌス帝の時代にさかのぼるといわれ、月曜から土曜の10時から17時まで開いています。テオドシウス貯水池(シェレフィエ)は、建築様式からテオドシウス2世(408〜450年)の治世のものとされ、32本の柱がプロジェクション・ショーを支えています。イスタンブール市の文化会社Kültür AŞが運営しており、毎日10時から開き、外国人旅行者の入場料は900TLです。

小アヤソフィア

回廊から見た小アヤソフィアの八角形の内部

マルマラ海へ下る途中にある小アヤソフィア(キュチュク・アヤソフィア)は、527年から536年にかけてユスティニアヌス帝が建てた、聖セルギオスと聖バッコス教会でした。柱廊に囲まれた、ドームを載せた八角形の平面は、初期ビザンツ美術で最も重要な建築のひとつです。16世紀初めにバヤズィト2世の時代にモスクとなり、数年間の修復を経て2006年に再開しました。礼拝の時間以外は入場無料です。回廊の下を巡る、ギリシャ語の彫刻帯にもご注目ください。

博物館のモザイク

青のモスクの裏にある大宮殿モザイク博物館には、皇帝の宮殿の舗床が展示されていました。文化観光省によると、2023年4月9日から修復のため閉鎖されており、再開日は発表されていません。ビザンツの品々を見るには、ギュルハネ公園の近くにあるイスタンブール考古学博物館(外国人旅行者15€)がおすすめです。蛇の柱の頭部の断片も収蔵されています。

チェンベルリタシュからゼイレクへ

コンスタンティヌスの円柱

ディヴァンヨル通り沿いのトラム停留所チェンベルリタシュには、新しい首都の創建を祝って330年5月11日に落成したコンスタンティヌスの円柱が立っています。エジプト産の斑岩の柱身には皇帝の青銅像が載っていましたが、とうに失われています。円柱は今も約35メートルの高さがあります。オスマン朝時代に取り付けられた鉄の箍にちなんで、トルコ語で「箍をはめた石」を意味するチェンベルリタシュ、1779年の火災で表面が黒ずんだことから「焼けた柱」とも呼ばれます。チケット不要で、通りから見られます。

ヴァレンス水道橋

さらに西には、ヴァレンス水道橋(ボズドアン・ケメリ)が、ファティフとスュレイマニエの丘の間を走るアタテュルク大通りをまたいでいます。373年にヴァレンス帝のもとで完成し、現在は長さ921メートル、高さ約29メートルの橋が残っています。オスマン朝が何度も修復し、とくにスレイマン大帝の時代に手が入りました。サラチハーネ公園または大通りから無料で眺められます。

ゼイレクのパントクラトール

水道橋の北の丘にあるゼイレク・モスクは、12世紀にヨハネス2世コムネノス帝と皇后イレーネが創建した、キリスト・パントクラトール修道院の3つの隣り合う教会を使っています。市内最大級の修道院で、コムネノス家の墓所でもありました。2009年から財団総局が修復を進め、2019年にすべてが礼拝に戻されました。礼拝の時間以外は入場無料です。

ファティフと陸側の城壁

パンマカリストス(フェティエ)

チャルシャンバ地区にある至聖なる生神女パンマカリストス教会は、1292〜1294年ごろにミカエル・グラバス・タルカネイオテスが再建し、その未亡人マリアが1315年にモザイクで覆われた墓所礼拝堂を加えさせました。征服後は正教会の総主教座となり、ムラト3世が「征服のモスク」を意味するフェティエの名でモスクに改めました。モスクの部分は今も使われていますが、モザイクのある礼拝堂(博物館部分)は、文化省によって閉鎖中とされ、再開日は発表されていません。レンガと石の外壁は庭から見られます。

コーラの聖救世主修道院

エディルネカプにあるコーラの聖救世主修道院は、現在カーリエ・モスクとなり、テオドロス・メトキテスの依頼で1315年から1321年に制作された、ビザンツ末期最高のモザイクとフレスコ画の群を残しています。2024年に再開し、金曜を除く毎日9時から18時まで見学でき、入場料は20€(外国人旅行者)です。所要時間は1時間です。

テクフル宮殿

城壁の近くに建つ、レンガと石のテクフル宮殿の正面

コーラから北へ数分のところにあるテクフル宮殿(ポルフィロゲネトスの宮殿)は、市内に唯一残るビザンツの宮殿です。正面はレンガと石の帯が交互に並び、3層のアーチ窓があります。最後の皇帝たちの住まいだったブラケルナエ地区の一部で、18世紀初めには陶器の工房が入りました。イスタンブール広域市が修復して博物館となり、火曜から日曜の10時から18時(窓口は17時30分まで)で、月曜は休みです。外国人旅行者の入場料は570TLで、カードで支払います。

テオドシウスの城壁とイェディクレ

修復された、堀と二重の壁を備えたテオドシウスの城壁の一部

413年に完成し447年に強化された陸側の城壁は、マルマラ海からテクフル・サラユまで約5.7キロに及びます。堀、外壁、96の塔を持つ内壁という三重の構造は、修復された区間でよくわかります。城壁は自由に見学できますが、手すりのない城壁上の通路には登らないでください。南端のイェディクレ要塞は、1458年に皇帝たちの凱旋門だった黄金の門を取り込みました。ファティフ区役所が、火曜から日曜に、ガイド付きでオンライン予約のみで、無料で見学させています。

ビザンツ遺跡の一覧表

遺跡 地区 開館時間・休館 外国人料金
アヤソフィア スルタンアフメット 9時〜19時30分、金曜12時〜14時は見学中断 25€
アヤ・イリニ スルタンアフメット(トプカプ) 9時〜18時、窓口は17時まで、火曜休み 1,050TL
バシリカ・シスタン スルタンアフメット 9時〜18時30分、19時30分〜22時 1,950TL(最後に公表された料金)
ビンビルディレク貯水池 スルタンアフメット 10時〜17時、日曜休み 有料
テオドシウス貯水池(シェレフィエ) スルタンアフメット 毎日10時から 900TL
ヒッポドローム スルタンアフメット 24時間自由に見学可 無料
小アヤソフィア スルタンアフメット(海側) 礼拝時間以外 無料
考古学博物館 ギュルハネ 9時〜18時30分、窓口は17時30分まで 15€
コンスタンティヌスの円柱 チェンベルリタシュ 通りから見学 無料
ヴァレンス水道橋 ファティフ 通りから見学 無料
ゼイレク・モスク(パントクラトール) ゼイレク 礼拝時間以外 無料
コーラの聖救世主修道院 エディルネカプ 9時〜18時、金曜休み 20€
テクフル宮殿 エディルネカプ 10時〜18時、月曜休み 570TL
イェディクレ要塞 イェディクレ 9時〜17時、月曜休み、要予約のガイド付き見学 無料

料金は2026年10月に確認したもので、開館時間は冬季のものです。トルコリラの料金はインフレでたびたび変わります。

2日間のモデルコース

1日目:スルタンアフメット

  1. 9時:開館と同時にアヤソフィアへ、上階の回廊を見学(金曜の昼は避けましょう)。
  2. 10時30分:向かいのバシリカ・シスタン、続いてヒッポドロームとオベリスク。
  3. 12時:徒歩数分のビンビルディレク貯水池かテオドシウス貯水池、続いてディヴァンヨル通りで昼食。
  4. 14時:海のほうへ下り、午後の礼拝の時間を避けて小アヤソフィアへ。
  5. 15時30分:窓口が閉まる前に、アヤ・イリニ(火曜以外)か考古学博物館。

2日目:ファティフと城壁

  1. 9時:チェンベルリタシュのコンスタンティヌスの円柱、続いてバスか徒歩でヴァレンス水道橋。
  2. 10時30分:ゼイレク・モスク、続いてフェティエ(外から見学)。
  3. 12時30分:エディルネカプで昼食(金曜以外)をとってから、コーラの聖救世主修道院。
  4. 15時:テクフル宮殿(月曜以外)、続いて南へ城壁の一部を歩くか、バラトへ下ります。

休館日が重ならないよう、2日目は火曜、水曜、木曜、土曜、日曜のいずれかにしてください。イェディクレは別枠で時間帯を予約し、マルマラ海から城壁沿いを歩くコースと組み合わせましょう。

さらに詳しく

旧市街のほかの見どころ、オスマン朝のモスク、トプカプ宮殿、食事場所については、ガイドスルタンアフメット地区をご覧ください。イェディクレからアイヴァンサライまで城壁沿いを歩く方法、トラムでの行き方、安全のヒントは、テオドシウスの城壁のページをご覧ください。