金角湾沿い、フェネルとバラトの間にある聖ステファン・ブルガリア教会(ブルガリア語で「スヴェティ・ステファン」、トルコ語で「デミル・キリセ」)は、一見すると白い石造りに見えますが、実際には鋳鉄と鋼の部材でできています。総重量約500トンの部材は、1893年から1896年にかけてウィーンのR. Ph. ヴァーグナー社が製造し、ドナウ川と黒海を船で運ばれ、建築家ホヴセプ・アズナヴールの設計図に沿って現地でボルトとリベットで組み立てられました。三つのドームを持つ十字形のバシリカ式教会で、1898年9月8日に総主教(エクザルフ)ヨシフ1世によって聖別されました。2011年から2017年にトルコとブルガリアの協力で修復され、2018年1月7日にレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領とブルガリアのボイコ・ボリソフ首相の立ち会いのもとで再開しました。現在もブルガリア正教の礼拝の場として使われており、見学は無料です。所要時間は30分ほどです。
見どころ

水辺のファサード
庭や岸壁から眺めると、教会には小尖塔やバラ窓、ネオ・ゴシック様式の窓が並び、金色の玉ねぎ形ドームを戴いた高さ40メートルの鐘楼がそびえています。鐘は6つあり、ロシアのヤロスラヴリで鋳造されました。近づくと金属板のつなぎ目から工場で作られた部材だとわかります。部材によっては「R. Ph. Waagner Vienne(ウィーン)」という製造元の刻印も探せます。

イコノスタシスと身廊
彫刻と金箔を施した木製のイコノスタシス(聖障)が内陣の奥一面を占め、王の門のまわりにイコンが何段にも並んでいます。クリスタルのシャンデリア、桟敷席、金色の格天井が、金属製の建物の中とは思えないネオ・バロック様式の装飾をつくりあげています。身廊はコンパクトで、数分で見て回れます。

円柱と側廊
金色の柱頭を持つ円柱が身廊と側廊を隔て、側廊にはたくさんのイコンが掛けられています。石畳の床と木のベンチからは、この教会が今もイスタンブールのブルガリア人コミュニティの典礼の場であることが感じられます。
ブルガリア独立教会の歴史
この教会は、1849年にステファン・ボゴリディが提供した家に設けられた木造の教会に代わるものです。1870年2月28日、ブルガリア独立教会(コンスタンティノープル総主教庁から独立したブルガリア教会)の設立を定めたオスマン帝国の勅令(ファルマン)が、最初に読み上げられたのがここでした。庭にはいくつか墓があり、この運動の中心人物の一人であるマカリオポリス主教イラリオンの墓もあります。
実用情報
ワンポイントアドバイス
入場は無料です。日曜の朝は典礼の最中で入場が制限されるので、自由に見て回りたい場合は平日がおすすめです。儀式や特別な祝日には閉まることがあります。きちんとした服装(肩と膝を覆う)が望ましく、礼拝中は後方にとどまり、写真撮影は控えましょう。徒歩数分のバラトとフェネルの路地や正教会総主教庁とあわせて訪れ、そのあとコーラの聖救世主教会へ坂を上るのがおすすめです。市内のほかのキリスト教会やユダヤ教会堂については、イスタンブールの教会とシナゴーグのガイドをご覧ください。情報は2026年10月に確認したものです。
アクセス
Mürselpaşa Caddesi, Balat, 34087 Fatih, Istanbul。金角湾沿い、岸壁に続く庭の中にあります。トラムT5(エミノニュ〜アリベイキョイ)のバラト駅またはフェネル駅から徒歩数分です。 金角湾(ハリチ)航路のシェヒル・ハットゥ・フェリーがバラトとフェネルに寄港します。バス99Aはエミノニュから出ており、フェネルとバラトで下車します。
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